酵素は、体内の必要な場所で必要なだけ生産され、鍵と鍵穴が合致する物質にのみ働きます。
であれば、食べ物として酵素を摂っても意味がないのでしょうか。
一概に酵素と言っても、その種類は無数にあり、それぞれ特定の役割しかしないので、闇雲に食べても働きません。
また、酵素は主にタンパク質でできているので、食べても、胃でほとんど消化されてしまいます。
したがって、一般的には食べ物に含まれている酵素が、人の体内でそのまま効果的に働くことはあまりありません(ただし、野菜や生食の良さを否定するものではありません)
ちなみに、胃腸薬には酵素が使われているものが多いです。ジアスターゼ(アミラーゼ)やリパーゼなんかが入っています。(是非、ご家庭の薬箱をお確かめください。)
ただし、胃腸薬で使われている酵素は、胃で特定の仕事(澱粉の分解、脂肪の分解を助ける)をするために厳選された酵素なのです。
(※この記事にある「酵素」という語句は、一般的な酵素ドリンク等とは別のものです)
身体の外で酵素を効かせる
酵素を食べても、人の体内で働かないのならば、身体の外で酵素を働かせればいいのです。
それが酵素分解技術です。
人は食べたものを全て消化吸収できるわけではありません。
機能性が高いのにもかかわらず、消化が悪い食べ物って結構ありますよね。
玄米、キノコ、ごぼう、れんこん、、、、
あらかじめ酵素で分解しておけば、その食品が持つ機能性を増大し、余すところなく身体に届けることができ、人の消化器官に対する負担も減少します。
酵素分解技術とは
ひとつひとつの食品に対して、鍵と鍵穴が合致する酵素を厳選し、酵素が働きやすい温度、pH(ペーハー)、水分量などを調整して分解するのが酵素分解技術です。
残念ながら、ご家庭で簡単にできることではなく、高度な専門技術が必要です。
髙橋酵研ではこの技術がより身近に普及できるよう研究を進めています。
特に、咀嚼が悪い方や乳幼児などは、栄養価が高く消化が良いものを食べる必要があります。
酵素分解技術はこれからの少子高齢化社会に益々必要となる技術として注目されています。
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