体を内側から温める薬膳の考え方とあったか薬膳スープレシピご紹介

大寒になり、寒邪が盛んでいよいよ一年で一番寒い季節に入りました。

立春の直前のこの時期は、薬膳では腎を養い、胃腸(脾)を大切にすることが大事とされる季節です。

防寒対策も忘れずに、特に冷え症の方はお腹を冷やさないように注意してください。

今回は、胃腸を休ませるための方法と効果のある食材をご紹介していきます。
さらに韓国への薬膳材料を買い付けに行ったときのお話や、高麗人蔘を使ったレシピもお伝えしていきたいと思います。

温かくて柔らかい物を食べて、胃腸を温めましょう

食事は温かくて柔らかい物を食べるように心がけると、胃腸を温めることができます。

また心を落ち着けて、睡眠時間をしっかり確保するように心がけてください。

冬の過ごし方の大事なポイントは、早寝早起きです。

立春に備えて気血を生み出す源の脾(胃腸系)を健やかに保ちながら、滋養強壮の食べ物をしっかりと消化吸収させて体の中に栄養をしっかりと取り込めるように心がけましょう。

生命の源である腎をいたわることが大事です

冬の養生では、腎をいたわる事が大事とされます。

五蔵の腎は生命力の源であり貯金箱の役割をします。

成長、発育、生殖、老化ととても深い関連がある臓器になります。

骨、歯、髪、脳にも関わり、また内分泌(ホルモン)との関連もあります。

腎に良いオススメ食材

木の実類:松の実、くるみ、クコ、桑の実、栗など

粘りのあるもの:山芋、蓮の実、ぎんなん、もち米など

海産物:海藻や昆布、干し貝柱

黒い食材:黒キクラゲ、黒豆、黒胡麻、烏骨鶏

温性の食材:海老、羊、鶏、ニラ、シナモン、高麗人参、南瓜、冬虫夏草など

尿の出が悪い時には豆、ハト麦などの利水効果のある食材を組み合わせるのも良いでしょう。

腎に優しい調理方法

食べ物を温かくてやわらかい状態にする調理方法として適しているのは、蒸す、煮る等がおすすめです。

逆に腎に負担をかけてしまう暴飲暴食などの不規則な食生活には注意し、冷たいもの、激辛や硬い食べ物、揚げ物などは控えめにしましょう。

薬膳食材を仕入れに、韓国ソウルへ行ってきました

韓国市場

今回の旅では、薬膳食材をいろいろ仕入れてまいりました。
韓国と言えばやはり高麗人参です。

韓国市場

朝市の人参のコーナーにはたくさんの高麗人参が並びます。
市場近くに到着すると、何となく香りが漂っておりました。

高麗人参売場

サイズや形によって値段もまちまちです。

高麗人参の保存方法

今回は薬膳スープや薬酒に使う予定でしたので手ごろなサイズをチョイスして購入してまいりました。

高麗人参

帰国して、赤茶色い砂を指で丁寧に水でよく洗い流してから、保管する場合は新聞紙に包んで、ジップロックに入れて密閉してから冷蔵庫にいれておきます。

高麗人参(朝鮮人参)の効果・効能

高麗人参は別名 朝鮮人参とも言われます。

ウコギ科多年草の薬用植物です。古くから薬効が知られ、不老長寿の薬とされ珍重されてきました。現代でも多岐にわたりその効能効果が確認されています。

薬膳的な効能は、なんといっても消耗している元気を大いに補うことにあります。そして脾(消化機能)の機能を高めて喉の渇きや呼吸困難、咳などを止めます。また気血の不足による精神不安を解消するとされます。

高麗人参

冬の薬膳スープにはもとより韓国では、夏バテにも参鶏湯に入れて食すなど、
体の元気をとりもどす薬効効果のとても高いものです。参鶏湯は丸鶏を使いますが、ご家庭では、骨付きのもも肉や手羽元などですと作りやすいですね。

高麗人参は栽培がとても困難とされていましたが、18世紀のはじめに人工的に栽培されるようになったそうです。

人工栽培よりの天然の方が薬効も強く貴重とされますが採取が困難にて高値で取引されるそうです。

家庭で簡単 体が温まる薬膳スープのご紹介

薬膳スープ

材料

・鶏肉

・ネギ(白ネギ)

・金針菜(キンシンサイ)

・棗(なつめ)

・にんにく

・生姜

・お酒(日本酒)

作り方

1.鶏肉に棗(なつめ)、ネギ(白葱)、にんにく、生姜、玉葱、お酒(日本酒)少々を入れて鶏がかぶる程度の水を入れて煮込みます。

ワンポイントアドバイス

圧力鍋ですと、短時間で仕上がります。

2.塩、胡椒でお好みの味に整えます。鶏肉は温性のお肉にて体を温めてくれるので冬にはとても良い組み合わせといえます。

3.材料全体に火が通ったら、完成です。

金針菜(キンシンサイ)とは?

今回は金針菜(キンシンサイ)も入れてつくりました。

金針菜はユリ科カンゾウの花のつぼみです。

利水効果があるので、余分な水分を尿として排出して体のむくみを摂る効果があります。

また不眠や胃腸を丈夫にする効果のある蓮の実を入れたりと自分の体質や症状に合わせて、組み合わせるとアレンジがひろがります。

アレンジレシピご紹介

1.薬膳風お雑煮

薬膳スープアレンジ

スープとしていただいた後は雑炊にしたり、焼き餅を入れて薬膳お雑煮風にしても美味しくいただけます。

お餅はお腹を温めて体力をつけるので、疲れやすい方には元気をつけるので寒い冬にはおすすめです。

2.薬膳風カレー

薬膳スープカレー

薬膳スープをだし汁にして、薬膳カレーのアレンジをしてみました。朝鮮人参も入れて、スパイスと朝鮮人参効果で手足がジンジンあたたまり寒気がとれます。

自分なりのアレンジを見つけて作ってみるのも良いかもしれませんね。

まとめ

朝鮮人参は最近では、長野産で作られているものを八百屋さんでもよく見かけるようになりました。朝鮮人参の他にも、お腹を温め元気にしてくれて、疲労回復効果のある鶏肉とネギ、生姜、にんにくなどの温性の食材の組み合わせは冬の薬膳にはおすすめです。

是非、簡単薬膳スープで美味しく手軽に食卓のメニューに取り入れてみて下さい。

いよいよ本格的な寒さを迎えた季節を体の中から温めて、乗り切っていきましょう。

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中島香代子

中島香代子

栄養士、薬膳コンシェルジュ、薬膳エバンジェリスト(薬膳コンシェルジュ協会認定)、豆腐マイスター、裏千家茶道師範、草月流華道師範 主婦の立場から家族の健康管理のために薬膳を学ぶ。 薬膳の考えの素晴らしさを広めたいと思いカルチャー講座にて薬膳講座を引き受けながら薬膳レシピの提案や栄養指導などの活動をしています。 生活の中にすぐに役立つ簡単薬膳をお伝えして行きたいと思います。