おせち料理の意味と黒豆を使った簡単薬膳レシピをご紹介

おせち料理

いよいよ今年も残すところわずか
お正月の準備で慌ただしい年の瀬となりました。

お正月のごちそうといえば ≪お節料理≫ですが、
お節料理はもともとお正月だけのものではなくて、桃の節供や端午の節供などの
季節の節目に行う節供のお料理全般をお節供、お節料理と呼んでいたそうです。

やがて一番重要だとする年の初めのお正月に、年神様にお供えするお料理をさすようになり
≪おせち料理≫と呼ぶようになったそうです。

おせち料理の意味のご紹介と薬膳料理にお馴染みの黒豆を使った
簡単薬膳レシピのご紹介をしていきます。

おせち料理のご利益とは?

御節料理は年神様へのお供え料理なので、五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全、無病息災、
長寿の願いを込めて縁起の良い海、山の幸を豊富に盛り込んであります。

神様にお供えしたものを食べることで年神様の力をいただいて、
体内にそのパワーを取り込もうとしたのです。

おせち料理

お正月の三日間はかまどの神様にも休んでいただくために、お節はつくり置きができるものをお重に詰めて保存ができるようにしたと考えられています。

おせち料理は保存が効いて、まさに先人の人々の知恵が取り入れられたものなのですね。

祝い酒もバリエーション豊かになりました

祝い酒は今ではお屠蘇のあとは日本酒だけでなく、
ワインなどの洋酒と御節料理をいただいたり、また御節も和風だけでなく
洋風や中華風だったりと各ご家庭のお好みで多種多用となりました。

祝い酒

盛り付けもめいめい皿に盛り付けて小洒落た感じにしたり、
また大皿に盛り付けても華やかになりますね。

お屠蘇(おとそ)の意味とは?

まずは元旦に一番先にいただくお屠蘇(おとそ)ですが、これには意味があります。

神様にお供えするお神酒(おみき)と同じ清酒のように思われているかたもいますが、
お神酒は漢方薬を浸した薬酒です。

家族の無病息災や健康長寿を願う気持ちが、込められている薬膳効果の高い薬種になります。

お屠蘇は中国から伝わり、平安時代の宮中儀式として日本に取り入れられ徐々に
江戸時代には庶民の間にも広がりました。

お屠蘇をつくるための漢方薬が薬局や、今ではスーパーなどでも販売されていますが、
山椒(さんしょう)、桔梗(ききょう)、肉桂(にっけい)、蜜柑の皮などの生薬が
ブレンドされた物です。

漢方薬局ではそれぞれオリジナルのブレンドのお屠蘇が売られております。

これを大晦日に日本酒か、みりんに浸しておき元旦にいただきます。

スッキリ味がお好みでしたら日本酒で、
甘目がお好みでしたらみりんに浸すとよいでしょう。

薬膳効果の高い黒豆

お節料理のなかの一品の黒豆ですが、この黒豆は薬膳効果の高いお豆になります。

薬膳では冬におすすめの黒の食材の一つでもあり、
腎の働きを良くしますので体の精がつきます。

月経不順、腰痛、更年期障害などの女性特有の体調不良にもとても効果があるとされます。

さらに血をつくり、血の巡りや水分代謝もよくなるので生活習慣病の予防や
アンチエイジング、疲労回復にも効果がありますのでお節料理にはぜひ加えてくださいね。

黒豆を使った簡単薬膳レシピをご紹介

御節の一品に洋風な味に仕上げる
ブランデー風味の黒豆のグラッセをご紹介します。

いつもの黒豆の甘煮をつくる際に、仕上げにブランデーで風味をつけます。

瓶に入れて保存しますと、お節料理の一品からアイスクリームに添えてスイーツに、
またチーズとともにワインや洋酒のおつまみにもよく合います。

黒豆の甘煮の仕上げにブランデーを入れることで、風味と照りがよくなります。

お砂糖は上品な味の仕上がりや、艶を重視するならグラニュー糖がよいのですが
白砂糖は薬膳では体を冷やすとされますから、
薬膳的に冷えを予防するなら黒砂糖やきび糖で煮るのがおすすめです。

お歳暮などのいただき物のブランデーが眠っていませんか?

お料理に利用して加熱するので、アルコール成分がぬけてブランデーの香りと甘味が残り、
黒豆が艶々に仕上がります。

一味ちがったお洒落なお味の黒豆にしあがりますのでお試しください。

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中島香代子

中島香代子

栄養士、薬膳コンシェルジュ、薬膳エバンジェリスト(薬膳コンシェルジュ協会認定)、豆腐マイスター、裏千家茶道師範、草月流華道師範 主婦の立場から家族の健康管理のために薬膳を学ぶ。 薬膳の考えの素晴らしさを広めたいと思いカルチャー講座にて薬膳講座を引き受けながら薬膳レシピの提案や栄養指導などの活動をしています。 生活の中にすぐに役立つ簡単薬膳をお伝えして行きたいと思います。