更年期対策のポイントは適切な睡眠にあり!

寝ている女性の写真

前回の記事「更年期対策は何をすればいいの?」では、更年期対策の3つのポイント
1.体内栄養のバランスを整える!
2.適切な睡眠をよくとる!
3.筋肉の緊張をゆるめ、身体のバランスを整える!

このうちの「1.体内栄養のバランスを整える!」についてお話ししました。

今回は2つ目のポイント「2.適切な睡眠をよくとる!」についてお話ししましょう。

睡眠は、脳と体の大切な再生時間です

普段あまり意識していないかもしれませんが、「睡眠」は、身体機能が回復する大切な時間です。
人間をはじめ動物が「なぜ眠るか?」といえば、それは起きて生活している間に脳や身体に生じた様々な障害を修復し、最適な状態に保つためなんです。

しっかり寝たことで元気がでたり、疲れていたのが起きたらスッキリしているのは、体の機能が修復されているからなんですね。

そんな身体を回復させる「睡眠」は、ある一定の周期で繰り返されています。
睡眠・覚醒のリズムのグラフ

上の「睡眠・覚醒のリズム」のグラフを見ると、
約1時間半(90分)を周期に、深い眠り(ノンレム睡眠)浅い眠り(レム睡眠)を繰り返していることがわかります。

そして、深い眠り(ノンレム睡眠)の時は体の機能回復の時間で、浅い眠り(レム睡眠)の時は脳の機能修復の時間となっています。

眠りに入った最初の3時間(2周期ぐらいまで)の間が、一番深い睡眠の時間です。
眠り始めた当初は、体の機能回復に時間が多く割り当てられ、意識がない状態で寝入っています。

その後、脳の機能修復が始まり、「記憶」の整理・定着作業や自律神経の安定・機能修復がなされているのです。 ちょうどパソコンのハードディスクの最適化と同じように、断片化された様々な「記憶」を整理し、さまざまな情報にアクセスしやすくして体全体が適切・正常に活動できるように整えているわけです。
みなさんも現実とは違った不思議な「夢」をみることがありますよね。
それは脳が「記憶」の整理・定着作業をしているので、「記憶」があちこち移動しているからです。
「睡眠」は、このように体の機能回復と脳の機能修復を繰り返して、体を最適な状態に保つとても大切な行為なので、身体が疲れている更年期には、しっかりと睡眠をとる必要がありますよね。

睡眠の法則を利用して回復力を最大限に!

では、どうすれば、適切な睡眠を取ることができるか?
おさえておきたいポイントを2つご紹介します。

●適切な「睡眠」をとるためのポイント1
「眠りの周期(1時間半)の回数によって、体と脳の機能回復の度合いが違う!」

寝ている女性の写真

「睡眠」は1時間半の周期的な眠りを繰り返していますが、これを何回繰り返すかによって身体 全体の機能回復の度合いも違ってきます。

「3時間も睡眠をとれば十分」という人もいますが、これでは体の機能をある程度回復できたとしても、脳の機能の回復が不十分になります。
そのような短い睡眠生活が続いていると、「記憶」の整理・定着作業や自律神経の安定化が図れず脳機能に影響し精神障害が生じてくるとともに、やがて体全体の機能不調が起こってしまうんです。

そして、様々な研究の結果などから、

1時間半×4回=平均6時間

これが通常の大人の日常生活で身体機能回復するのに必要な最低限の平均睡眠時間といってよいでしょう。

そして何らかの症状や疾病のある人、疲れの溜まった人、更年期の人の場合は、
さらにプラス1周期の7時間半~8時間程度を睡眠の時間として確保することが望ましいです。

このプラス1時間半の睡眠をとれるかとれないかでは、体の回復度合いがかなり違いますよね。

●適切な「睡眠」をとるためのポイント2
「朝起きる時は、「睡眠」の周期にしたがって起きる!」

寝起きの女性の写真

前述したように、ほとんどの人が約1時間半(90分)を周期に、深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)を繰り返しています。

そこで、浅い眠り(レム睡眠)の時、つまり1時間半ごとの周期が終わった頃に目覚めるようにすると、比較的目覚めやすくなるんです。
たとえば、3時間、4時間半、6時間、7時間半ぐらいでのタイミングですね。

逆に、6時間半ぐらいの睡眠で起きてしまうと、深い眠り(ノンレム睡眠)に入っている時に起きる ことになるため、体がだるかったり頭がスッキリしなかったりという状況になってしまいます。
よく睡眠時間はとっているけど朝がダルイというのは、この起きるタイミングを失敗している可能性があります。

このように「睡眠」の周期に逆らうことなく起きるようにすれば、朝から体がだるく頭痛するなんてことを避けられます!

あなたも、睡眠時間と起きるタイミングを意識して、「睡眠」が6時間または7時間半(理想的)ぐらいのタイミングで起きるように、就寝時間や起床時間を調整してみましょう。

The following two tabs change content below.
川井太郎
「病院でよくならなかった人の為の整体院」として、頭痛や首肩こり、腰痛、慢性疲労等の筋骨格系症状をはじめ、冷え症、むくみ、更年期症状等の婦人科系症状、アトピー、喘息等体質的症状など、様々な患者さんの症状を改善へ導いている。 「身体のゆがみ」&「アンチエイジング」の専門家 著書『腰痛が治るのはどっち?』(学研パブリッシング)、『腰痛・股関節痛・足のしびれが消える「骨盤ゆらし」』、(マキノ出版)『スマホうつ』(秀和システム)など あん摩マッサージ指圧師 保健医療学修士(国際医療福祉大学大学院 理学療法修士課程修了) 米国アンチエイジング医学会(A4M)認定 ヘルスケアプラクティショナー 日本抗加齢医学会認定 指導士   専門家プロファイル http://profile.ne.jp/pf/kawaikinkeitai/

FOLLOW US!